あなたの「働く」を見つめよう

キャリアコンサルタントのTOMOCHIです。働くことについて綴っていきます。

リモートワークは好きですか? -働く環境について

こんにちは、キャリアコンサルタントのTOMOCHIです。

 

現在の日本。39県では緊急事態宣言が解除されました。明後日には関西の3府県が宣言解除されるかもしれないとの見通しが出ています。

少しずつ、日常というものを取り戻す動きにあります。

 

この間、変わらずにお店や工場などの現場で毎日働きに出ている方もいらっしゃれば、オフィスはがらんどうで、皆自宅から家のパソコンでリモートワークという方もいらっしゃると思います。

この、働く環境が一気に変わってしまった方。

いかがですか?

これはこれで、なかなか自分のペースで仕事ができるし、通勤時間が不要になっていいなぁ、このままリモートワーク続けさせてくれないかな?という人。

一方で、小さい子供がいたりペットがいたり、家では集中できなくて、という方。また一人ではペースが掴みづらく、やはり同僚の顔を見ながらでなければ効率が悪いという方。

仕事によっては、リモートワークが向く・向かないもあるでしょうし、住居環境や家族構成もそれぞれですから、当然このようにリモートワークがいいと思う人・つらいと思う人分かれてしまいます。

 

けれども、実は同じような条件・状況でも、人によってはリモートワークが好き・嫌いは分かれてしまうのです。

人は本当にそれぞれ、皆違うのです。今日はそんなお話です。

 

私のことを少しお話しますね。

私はいくつもの職場を経験してきました。基本的にはオフィスワークですが、今までいろんなオフィスを見てきました。

 

その中で一つ私にとっては衝撃的なオフィスがありました。面接時に見せていただいたオフィスなので、そこで働くということはありませんでしたが、堅牢な建物にある、地下室のオフィスでした。

その地下には、ボイラー室という設備機器の置いてある部屋と、そのオフィスだけ。イメージとしては潜水艦のような?機械音もかなりしていました。

当然ながら窓がなく、部屋の雰囲気も陰湿で、狭い部屋に7,8名ほど社員の方が机を並べていました。

私は大変失礼ながら、直感で「私ここにいたら病気になりそうだ」と思ったのでした。

 

それには私には苦い経験が2つほどあったからです。

その2つに共通するのは、とても狭い空間に、人がぎゅうぎゅうに詰め込まれているオフィスで働いたということです。

通常のオフィス用の机ではなく、会議室の長机に椅子並べて働いたときは、腕が隣の人に当たりそうなほど近くでした。資料のバインダーを広げる場所さえありませんでした。

また立つ際に椅子を引くことが毎度はばかられるほどの密集オフィスも。よくぞここまで机と棚を並べてレイアウトしたな、と感心するぐらいでした。

この2つの場で、私にはかなりストレスがかかっていたのだと思います。もちろん理由はそれだけではありませんが、耐えきれずに辞めてしまいました。

 

その時に思ったのです。

私はなんてやわなのだと。この環境で、何年にもわたり働きづつけている人たちがたくさんいらっしゃる。おそらくその人たちは、この環境についてはさしたる何も思っていないに違いない。気にしていないかもしれない。なのに私ときたら、これが耐えられないという。どういうことなのか?同じ人間なのに。

 

不思議ですよね。感じ方が人によって全く違うわけです。

平気な人もいれば、私のように逃げ出す者もいる。

 

これについて、キャリアコンサルタントの資格取得に向けて学んでいたとき、ある1つの理論に出会い、私はとても納得したのです。

それはハーズバーグというアメリカの心理学者の提唱した理論で、「動機付け要因・衛生要因」といいます。

 

ハーズバーグは労働者を対象に、これまでの仕事の中で、「いい思いをした経験」と「悪い思いをした経験」をインタビューしました。

すると、「いい思いをした経験」では、仕事の達成感や承認、評価、仕事そのものの面白さなどが挙げられたそうです。一方「悪い思いをした経験」では、会社の方針、経営の仕方、人の監督の仕方、人間関係、労働環境が挙げられたそうです。

 

この調査から、ハーズバーグは、職場の満足感と不満足感を引き起こす要因は、1つのものではなく、2つ別々のものだと見出しました。

 

●職場の満足感:人間の中にある自己充実や精神的成長を志向する欲求に根差している

 ⇒ 「動機付け要因」と名付ける

●職場の不満足感:苦痛や深いを与える環境を避けたいという欲求に根差している

 ⇒ 「衛生要因」と名付ける

 

どうでしょうか?

ちょっと、あぁわかるなっていうところがありませんか?

例えば、逐一チェックをいれて過剰に監督をしてくる上司。毎日毎日うっとおしいなと思うわけですね。ある日突然、上司が変わりました。タイプの違う放任主義の上司がやってきました。ラッキーって思いますよね。あぁ楽になったーと。不満は解消されました。めでたしめでたし。

でも待ってください。不満はなくなりましたが、だからって、満足までしますか?

これでやっと普通の環境になったよ、って思いませんか?

 

お給料もそうなのです。お給料が上がったら、うれしいですね。でも上がったところで不満がなくなるだけで、満足はしないのです。

どうやら別のとある研究では、お給料が上がれば上がるほど幸福というわけでもないというのが出ているぐらいです。

(参考:ダイアモンドオンライン 年収が上がれば上がるほど幸せになれるのか?幸福の正体とはhttps://diamond.jp/articles/-/229496?page=2

 

一方で、頑張った仕事が部で認められた、昇格した、ねばっていたプロジェクトで競合に勝てた、などは本当にうれしい。やったー、という達成感。やっててよかったという喜びです。これが満足感ですよね。満足をもたらすのは、達成や承認、仕事そのものなんですね。

つまり、ハーズバーグは、この人の不満・満足をもたらす要因って、それぞれ別物だよってことを言っているわけです。

 

そのうえで、ハーズバーグは労働者には2つの種類がいるといいました。

先ほどの「動機付け要因追求者」と「衛生要因追求者」です。

 

なるほどなーと。私の、納得したというのはここになります。

私は「衛生要因追求者」なんだな、ということです。

「衛生要因追求者」は職場環境や労働待遇に敏感で、それによって意欲を左右されやすいというのです。

 

私のように、もうこの環境ダメ、耐えられないという人がいる一方、同じ環境・境遇で平気な人もいる理由。同じ人間なのに、根差しているものが違うから、その結果が違うのだという、私の見つけた答えでした。

 

みなさんはどうですか?私はどっちかな?と一度考えてみてください。

それにより、選ぶべき仕事も違ってくるかもしれません。職場環境に対して見つめなおすこともできるかもしれません。

キャリアコンサルタントを学んで思うことの一番は、「自分を知る」ことの大切さと奥深さです。

 

今日はここまでにします。

参考までに引用した図書をつけます。

 

働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える

働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える

  • 作者:村山 昇
  • 発売日: 2018/03/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)